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採用情報

症状1 あなたの診断は?

症例:雑種犬,6歳,雄
主訴:食欲廃絶、運動不耐性
現症:T.40.0℃、可視粘膜やや蒼白

CBC: Ht 26%,MCV 70.0fl,MCHC 34.5%,Ret 1%,Ict +,WBC 28100/μl,Seg-N 24700/μl,Lym 1100/μl,Mon 2300/μl,Eos 0/μl
Chem: AST 35U/l, ALT 25U/l, ALP 37U/l, TBil 3.2mg/dl, DBil 0.8mg/dl

血液塗抹所見ではこのような赤血球が見られました。

↓

正解はハインツ小体性貧血です。
犬のハインツ小体性貧血では、猫のそれと異なり赤血球の細胞膜が片方に引っ張られたような形態をし、細胞質は偏在して濃縮したようにみえるのが特徴です。最も多い原因はたまねぎの摂取です。犬の溶血性貧血ではIHAとバベシアそしてハインツ小体性貧血との鑑別が必要です。

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症状2 あなたの診断は?

症例:雑種犬、雄、13歳
主訴:以前より麻痺していた足を噛み切って骨が出てきた。

CBC: PCV 19%, Hb 5.7g/dl, MCV 65.5fl, MCHC 30.6%, Ret 1%, WBC 24800/μl,Seg 21424/μl, Lym 2788/μl, Mon 586/μl, Plat 542000/μl
Chem: ALT 22U/l, AST 26U/l, BUN 21.5mg/dl, Fe 12μg/dl, TIBC 203μg/dl, トランスフェリン飽和度5.9%

血液塗抹所見ではこのような赤血球が見られました。

↓

正解は赤血球の形態はセントラルペーラが広く、
菲薄赤血球と言われるものです。

MCHCも低く、鉄欠乏性貧血が最も疑われます。血清鉄の低下、トランスフェリン飽和度の減少もこれを裏付けています。傷口からの持続的な出血が原因と考えられました。
鉄欠乏性貧血の特徴は一般的には小球性低色素性貧血であり、赤血球の形態学的特徴としてセントラルペーラの拡大や小型の赤血球がみられます。また、標的赤血球もしばしばみられます。血小板の増加を伴うことが多いのも特徴です。血清鉄は著しく低く、TIBC は犬以外の動物や人では上昇します。この症例ではTIBCの低下がみられますが、これはACDが関係しているためと思われます。(ひとくち講座2参照)

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症状3 あなたの診断は?

症例:マルチーズ、10歳齢、雄
主訴:2-3日前から気が狂ったように鳴くとのことで来院。

CBC: PCV 19%, MCV 79.2fl, MCHC 29.5%, WBC 6140/μl(補正後), Seg 4360, Lym 1412, Mon 368, Eos 0, NRBC 602/100W
Chem: AST 58U/l, ALT 28U/l, Fe 183μg/dl, TIBC 202μg/dl, トランスフェリン飽和度 90%

血液塗抹では有核赤血球の増加とともにこのような赤血球がみられました。

貧血の原因は?

↓

正解は鉛中毒です。
鉛中毒ではヘムの合成障害が起こり、低色素性の貧血がおこります。末梢血の特徴として赤芽球の増加がみられ、細胞質にパッペンハイマー小体といわれる微細顆粒が認められます。これはヘム合成に利用されなかった鉄がミトコンドリア内に残ったもので、鉄染色すると右写真のように青い顆粒としてみられます。これを鉄血球とよびます。赤芽球では鉄顆粒が核の周囲を取り囲むようにみられます。これは鉄芽球とよび、このタイプの貧血を鉄芽球性貧血と言います。

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症状4 あなたの診断は?

症例:雑種犬、12歳、雄
主訴:3年前にVCS。2ヵ月前より腹水貯留。治療により一時改善するが、1週間前から食欲低下。
現症:肝腫大、腹水貯留

CBC: PCV 30%, MCV 58.9fl, MCHC 30.6%, Ret 5%, WBC 14900/μl, Seg 11622, Lym 2682, Mon 596, Eos o, Plat 79000/μl
Chem: AST 153U/l, ALT 191U/l, ALP 541U/l, Tcho 206mg/dl, Cre 3.3mg/dl

血液塗抹ではこのような赤血球がみられました。

なにが疑われますか?次にするべき検査は?

↓

正解は血液塗抹にみられた異常な赤血球は破砕赤血球です。
血小板の軽度低下も認められることから、細血管障害性溶血性貧血が疑われます。臨床的によくみられるのはDIC、血管肉腫、脾血腫、血管炎などです。この症例ではFDPが320と著明に増加しており、DIC診断しました。

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症状5 あなたの診断は?

症例:ビーグル犬、11歳、雌
現病歴:昨日から急に元気食欲がなくなった
現症:特筆すべきことなし

CBC: PCV 23%, MCV 78.2fl, MCHC 30.8%, Ret 1%, WBC 24700/μl, Seg 14541, Lym 5179, Mon 597, Eos 397, Plat 30000/μl, NRBC 7/100w
Chem: AST 556U/l, ALT 87U/l, ALP 301U/l, Tcho 161mg/dl, Cre1.3mg/dl,TP 4.8g/dl

非再生性の貧血、血小板減少がみとめられ、血液塗抹ではこのような赤血球がみられました。

なにが疑われますか?次にするべき検査は?

↓

正解は破砕赤血球です。
この症例も前回の症例と同様破砕赤血球がみられます。FDPや凝固系検査は正常でDICは否定され、血管肉腫や脾血腫などによる細血管障害性溶血性貧血が疑われます。。経過が急劇なこと、TPの低下が見られることから急性の出血も考慮する必要があります。エコー検査で脾臓にマス病変がみられ、開腹手術により破裂した脾臓の血腫が確認されました。

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症状6 あなたの診断は?

症例:雑種犬、5歳、雌
現病歴:食欲不振が続き、痩せてきた。時々嘔吐する
現症:特筆すべきことなし

CBC: PCV 9%, MCV 73.2fl, MCHC 25.6%, Ret 1%, WBC 15900/μl, Band 316, Seg 13038, Lym 1113,Mon 795, Eos 636, Plat enough,
Chem: AST 12U/l, ALT 27U/l, ALP 184U/l, Tcho 125mg/dl, Cre1.3mg/dl, BUN 48mg/dl, TP 5.0g/dl, Alb 2.4mg/dl

重度の非再生性貧血がみとめられ、血液塗抹ではこのような赤血球がみられました。

なにが疑われますか?次にするべき検査は?

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菲薄赤血球や小型の標的赤血球がみられることから、鉄欠乏性貧血が疑がわれます。TPの低下(アルブミンとグロブリン)、BUN/CRE比の上昇から慢性の消化管出血が疑われます。
血清鉄とTIBCを測定し鉄欠乏を裏づけ、便の潜血反応を調べ、陽性なら消化管造影検査やエコー検査を実施します。この症例は試験的開腹手術により腸管のリンパ腫が確認され、摘出術と化学療法が行われました。

この続きの症例はこちらでご覧いただけます

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